月別: 4月 2022

法人リハビリ部門新人研修報告会

4/16() 法人リハビリ部門新人研修報告会が開催されました。

この研修報告会は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の免許取得後13年目までのスタッフが普段の実践報告(症例報告)を職能別で発表する機会となっております。今年も昨年と同様コロナ禍での開催となり、感染拡大を配慮しリモートにて実施されました。

当院の出口医師をはじめ、介護保険分野でご活躍されているリハビリスタッフの先輩方等にご参加いただき、多くのディスカッションが行われました。患者様の在宅復帰を支援する上でサービスの検討などのマネジメントにいつも頭を悩ませていましたが、今回の新人研修報告会を通して退院後のサービスについてのアドバイスをいただいたり、自身の臨床を振り返る機会にもなり多くの学びが得られました。 今後の臨床に活かし、患者様にとってより良い支援ができるよう努力できればと思います。

上伊那生協病院 回復期リハビリテーション課 唐澤千春

コロナフレイルには要注意!

「フレイル」…???

皆さんは「フレイル」という言葉はご存知でしょうか?

介護が必要となる一歩手前のことで、「か弱さ」といった表現をすることもあります。

このフレイルは、新型コロナウイルスが流行する前から懸念されておりました。しかし、コロナ禍の長期化により、今では多くの高齢者がコロナフレイル予備軍とされており、身体機能や認知機能低下が囁かれいます。

実際、2020年と2015年のフレイル状態の方を調べた研究では、2020年の1年間に約16%の人がフレイル状態になったと言われています。一方、2015年の調査では、約11%の人がフレイル状態になったと言われています。

つまり、この5年間で、1.5倍へとフレイル状態の人が増えたことになります。

この背景にはやはり、コロナ禍という行動制限による運動不足や社会参加不足が挙げられ、今なお喫緊の課題となっています。

フレイル予防を行うためには?

では、フレイル予防を行うためには何に注意する必要があるのでしょうか。コロナ禍に関わらずフレイル予防には、運動・栄養・社会参加の大きく3つの要素があると言われています。

①運動

冒頭にも申し上げた通り、コロナ禍により、体の機能が衰えたという方は多くいらっしゃいます。

東京大学高齢社会総合研究機関の調べでは、高齢女性に対して調査を行った結果、握力低下が全体の半数あまりに対して、腹筋や背筋などの体幹の筋量が低下した方の割合は全体の8割に上っていると言われています。

東京大学 高齢社会総合研究機構 (u-tokyo.ac.jp)

長期化している行動制限はなかなかおさまらないため、家でも外でも一人でも出来る運動をすることが、フレイル予防の第一歩です。

運動の指標として、ストレッチや体操を1日10分程度、散歩やウォーキングを1日20分程度行うがよいとされています。

そこで、自宅でもインターネット環境があれば出来る運動のご紹介をさせていただきます。以下をクリックしていただき、ぜひ動画を見ながら運動を行ってみて下さい!

【座って10分運動】【スワデキシリーズ第6弾!】座ってできる全身運動! – YouTube

②栄養

続いて、栄養についてですが、基本的にはバランスの取れた食事を1日2回以上摂ることが重要だとされています。

バランスの取れた食事というのが難しいという可能性もありますが、1日を通してうまく補っていければとよいのではないかと思います。

例えば、1回のお肉や脂質、炭水化物などの偏った食事が重なった場合、2回目・3回目の食事では、野菜を多めにとるなどの調整を図るといった具合です。

栄養素でいえば、運動の有無に関わらずタンパク質を十分に摂ることが必要です。タンパク質は、筋肉を作る効果が期待出来ますので、運動と併せて摂取するようにしましょう。

忙しい場合には、プロテインのようなサプリメントも活用するとよいと思います。

③社会参加

最後に、社会参加になりますが、「フレイルの入り口は社会参加の欠如」と言われるほど、周りの人とのつながりは重要となっています。

コロナ禍による制限で、友人や知人との交流が乏しくなった方も少なくないのでは無いでしょうか。周囲との友人や知人との交流がなくなると、気持ちも落ち込み、生活範囲が狭まります。そうすると、体の機能も衰えてくるなど、負の循環となりやすくなってしまいます。

以上のことから、コロナ禍という中ではありますが、いろんな形での社会参加をお勧めします。

特に、コロナ禍では初期の段階から3蜜(密閉・密集・密接)を避けましょうという動きがあります。感染状況にもよりますが、落ち着いている場合には対面式を行う、感染拡大や可能性が否定できない場合には、インターネット環境を活用しながらオンラインで交流するなどのハイブリッド方式とするなど、工夫の余地があると思われます。

「リモート」

「オンライン」

「インターネット」

種々の言葉アレルギーで、聞いただけ避けてしまう人もいるかと思います。しかし、ご家族や知人・友人と協力し合うなど、ぜひこの機会に触れてみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

(上伊那医療生活組合員センター 作業療法士 有賀康大)

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