5.26 外部講師による学習会が開催されました。
講師は信州大学 名誉教授・特任教授 農学博士 井上直人先生です。
先生は、郷土料理の研究や日本食のルーツなど、幅広い分野でご活躍されており、その活躍は新聞やメディアでも多く取り上げられている方です。
講演会のきっかけは、ご本人様の入院でしたが、徹底的な自主トレの管理により驚異的なスピードで回復され、当院ではほぼ運転評価が目的であったため、入院期間はほんの数日でしたが、濃厚すぎる先生のお話を担当間だけの思い出にとどめておくことはもったいなく思い、ぜひ、講師としてお招きし、学習会を行ってほしいとお伝えしたところ、対面での学習会が実現した次第になります。
学習会のテーマは、「回復期患者様が覚醒される食」です。業務後に関わらず、回復期リハ病棟のリハスタッフだけでなく、他部署の参加もあり、50名を超える参加がありました。
覚醒される食…
栄養面だけでなく、民俗学の視点での色の意味から考えられた配色、なぜ日本人がネバネバやモチモチを好むのかなど、食の持つ「意味」について非常に考えさせられる機会でした。中でも、地元の郷土料理である五平餅について、半ごろし(米をすりつぶす)の調理工程が金気剋殺によって木気迎行(植物の繁栄=豊作祈願)を祈っていることを意味していることは大変、目からウロコの情報でした。
また、先生は病院食は、栄養面が重要視されて、情報面が疎かになってしまっている問題にも触れ、どのようにしたら、食の持つ情報を発揮できるかなど、お金をかけないでできる食の情報を伝える方法や工夫点などをご教授いただき、非常に活きた内容が満載でした。
普段、食事(栄養)についても治療手段として位置づけて捉えている医療スタッフにとって、とても斬新な切り口な内容だったので、学習会終了後には、講師をしてくださった先生に、内容について、より深く意見を求めるスタッフや感謝の気持ちを伝えるスタッフで行列ができていました。
今回の経験を通じて、学習企画として日々、どういった内容のものが興味を持ってもらえるのか、臨床に活きるのかなどを悩みながら企画していますが、入院というエピソードを新たな交流のきっかけに、大きく展開できた学習会でした。改めて地域の方々とのつながりを実践できた貴重な経験でした。
上伊那生協病院
回復期リハビリテーション課、言語聴覚課
小林和宏、春日智美